『動物農場』ジョージ・オーウェルの感想|社会主義批判の小説

  • 610

ジョージ・オーウェルの「1984」を前回紹介しました。

その本を読んだあと、オーウェルの他の作品を読んでみたいと思ったので、探したところ、「動物農場」と何とも面白そうな本を発見。

薄い本で、すぐに読めるのでとてもおすすめです。

内容も動物が出てくるので、可愛らしく、ファンタジー要素が強いので楽しく読むことができました。

内容は、これもまたよく考えさせられるもので、とても面白いので、紹介したいと思います。

①簡単なあらすじ

ある農場の動物たちは飼い主への不満を抱いていました。そこである豚が仲間たちに、飼い主を追い払う計画を持ちかけ、見事成功を収めます。その後の農場は、様々なルールの取り決めや誰がリーダーになるかなど、問題が次々と起こるのでした。

②社会主義批判⁉︎

この本は「社会主義を批判している小説」として知られています。

最初は平等を求めて、飼い主を追い出したものの、次第に階級ができ、格差が生まれていきます

知識のある豚がリーダーとなって、ルールを決める。知識のないものは反対することができず、不利なルールに従うことになりました。

当時、ソ連はレーニンという共産主義を掲げた人物がいました。

レーニンは、支配階級をなくし、支配者と被支配者が平等になることを目標に活動し、革命を起こしました。

その後、跡を継いだスターリンは、5カ年計画やスプートニクの打ち上げ、科学技術の発展など大きな功績を残しました。

しかし、徐々にソ連は崩壊し始めます

資本主義のメリットは、競争がモチベーションを生み出して発展する点です。

一方デメリットは、失業と貧富の格差です。

私たちは今この問題に直面しています。

では、社会主義のメリット,デメリットは何でしょうか。

メリットは,最低限の生活の保障と生産に余剰がない点です。

一方デメリットは,労働に対する意欲が低下することとそれによる生産の低下です。

社会主義に不満が出始めると,支配者が国民を弾圧し始めます。国(支配者)の力が強くなる,ということです。

最初は,みんなを救うための革命だったのに,徐々に働く意欲がなくなり,全てを国に取られてしまう,それでも貧しい。という状況が出来上がってしまうということです。

この本では,その流れを表しているように見えました。

③ルールを変えても気付こうとしない動物たち

最初に革命を試みた豚が,7つの掟を決めます。

多くは人間のようにはならないようにするということでした。

しかし,支配者は知識があります。自分たちには,そのルールを破って贅沢しても良いよううまく書き換えました

周りの者たちは,変化に気づきはするものの,反論することができません。

知識もないため,反対して,自分にルールを作れと言われてもできないからです。

私はその姿に,支配の恐ろしさを感じ,自分が搾取されたり騙されたりしないように,知識をつけようと思いました。

④動物の処刑

物語の中で,ルールに従わないまたは従わない恐れのあるものが処刑される場面がありました。

その動物たちは,ただそのルールに疑問を持っただけです。

それなのに,無実の罪で殺されてしまうのです。

知識のある権力者は言葉ややり方がうまく,周りの動物たちは彼らが本当に罪を犯したと信じます。

このように,徐々に支配階級が確立していくと,仲間であったものでさえも,簡単に処刑してしまう

その思考の変化に驚きました。

④全体的な感想

1つの国の変化が,小さい農場で行われるような感覚でした。

それぞれの動物たちの性格と行動が,色々なところで作用していて,今私たちが生きる社会も似たように動いているのだなぁと思いました。

社会を作るのはすごく難しいのだということがわかったし,自分が組織やグループにいるときにどのような立場でどのような行動を取るべきかみたいなものまで考えさせられるお話でした。

アニメ映画もあるみたいなので,ぜひみて見てください!

ジョージ・オーウェルの「1984」を前回紹介しました。 その本を読んだあと、オーウェルの他の作品を読んでみたいと思ったので、探したところ、「動物農場」と何とも面白そうな本を発見。 薄い本で、すぐに読めるのでとてもおすすめ…

ジョージ・オーウェルの「1984」を前回紹介しました。 その本を読んだあと、オーウェルの他の作品を読んでみたいと思ったので、探したところ、「動物農場」と何とも面白そうな本を発見。 薄い本で、すぐに読めるのでとてもおすすめ…

コメントを残す