
【作品紹介】バスキアとは何者か?
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20世紀における最も重要なアメリカ人アーティストの1人と言われる天才“バスキア“。現代のアートでも影響を与えた“バスキア”について、まとめていきます。
私がバスキアを知ったのは、漫画「左ききのエレン」からです。主人公が「横浜のバスキア」と呼ばれたいたんです。そんなにバスキアってすごいの?という興味から始まりました。
最近すぎて知識は浅いですが、バスキアを調べてみるとその魅力にめちゃくちゃ引き込まれました。 「バスキアの天才性とは何か」考えていきます。
プロフィール
- ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)
- 1960年12月22日 – 1988年8月12日(満27歳)
- ニューヨーク市ブルックリン生まれ
- プエルトリコ系移民の母親とハイチ系移民の父親の間に生まれたハイチ系アメリカ人
- 絵の中に描かれる王冠がトレードマークである
幼い頃:よく絵を描き、母親から芸術の活動を奨励されていた。
17歳頃:地下鉄やスラム街地区の壁にスプレーペインティングを始める。
高校中退:Tシャツやポストカードを売りながら生計を立てていた。そしてスプレーペインティングは評価されいく。キース・ヘリング、バーバラ・クルーガーのおかげで、ニューヨークで個展を開く。
1970年代後半:高校の友人とグラフィティ・デュオ「SAMO」のメンバーとなり、悪評をなす。《SAMOとは…ニューヨーク、マンハッタンで、謎めいたエピグラム(詩)の落描きをしたグラフィティ・デュオ。》
20歳:アトリエ活動を開始すると、ニューヨークのダウンタウンで伝説的な存在となった。
1983年22歳:「ポップアートの巨匠」アンディ・ウォーホルと知り合う。共同制作も行なった。
1987年21歳:徐々に薬物依存症に陥り、妄想癖が見られるようになる。さらにウォーホルの死によって、孤独となった。
1988年27歳:へロインのオーバードースにより死去。
※バスキアはよく高価なアルマーニスーツ姿で絵を描いており、また公衆の前でもアルマーニスーツ姿でよく現れていたそうです。
✳️1992年にホイットニー美術館で「回顧展」が開催。
✳️2017年5月18日、サザビーズのオークションで、ZOZOの前澤友作がバスキアの作品をを1億1050万ドル(約123億円)で落札しました。これでアメリカ人アーティストとして最高落札額を更新したこととなるそうです。それがドクロを力強く描いた『無題』(1982)という作品です。
バスキア作品を所有している著名人は、以下の通りです。
- デビッド・ボウイ
- マドンナ
- レオナルド・ディカプリオ
- ジョニー・デップ
- ラーズ・ウルリッヒ
- スティーヴン・コーエン
- ローレンス・グラフ
- ジョン・マッケンロー
- デボラ・ハリー
- ジェイ・Z
作風
- グラフィティ・アートをモチーフにした作品
- 歴史的な事件や現代社会問題を主題とする政治的な作品
- 詩、ドローイング、絵画などを織り交ぜた作品
- 遠まわしに植民地主義を批判し階級闘争を支援。
- 新表現主義風として認知される。
また挑発的二分法を用いる…金持ちと貧乏、分離と統合、外側と内側など、二分法に焦点を当てて制作する。
いたずら書きのような画面に、聖書の一節、過去の英雄、消費社会、科学技術の進歩、黒人差別、戦争、抑圧などが差し示されています。
現代のヒップホップ、アート、音楽、ダンス、ファッションの要素をミックスする手法の研究。また文字や記号、黒人や人種問題の研究も進められています。
ギリシャ、ローマ、アフリカの芸術からジャズ、ポップカルチャー、友人のアンディ・ウォーホールなど同年代のアーティストまで、幅広い要素を取り込んだ社会的・政治的な作品である。といえるでしょう。
映画『バスキア』

1996年 アメリカで映画化されました。
監督はジュリアン・シュナーベル。バスキアを演じたのは、ジェフリー・ライトです。
バスキアの死後に再評価される
1970年代後半のニューヨークは、、
ラップ、スクラッチ、ブレイクダンスの①音楽とダンス
そして街角の壁にスプレーなどで独自の落書きをする②グラフィティーアートなど、
黒人やスパニッシュ系の若者によるストリートカルチャーが誕生した時代でした。
しかし、当時の美術業界は冷ややかな評価でした。バスキア独自の創造性を評価はからの死後4年たってからでした。
1992年に転機が訪れる!!
ニューヨークのホイットニー美術館でのバスキアの個展で、それまで、1980年前後の新しい絵画「ニュー・ペインティング」の一部だったバスキアのアートが、
- 豊かな独自の創造性を持っていると認識される
- アフリカ的な性格に対する認識が喚起される
ようになったのです✨
そして21世紀。
- パリ、ルイ・ヴィトン財団
- NYのグッゲンハイム美術館
- 2019年日本「バスキア展」開催
とバスキアの評価は高まり続けています。今ではバスキアの作品を購入するのは困難となっているんです。
評価が遅れた理由

- 大衆文化巻き込む商業的成功
- バスキアが正当な美術教育を受けていない
- 人種的要因
など言われています。特に、当時のアメリカは白人主義。バスキアが黒人であったことによる歴史的な背景があります。
「グラフィティー出身の天才黒人画家」という戦略的なイメージ付けは、作品よりもセレブリティーのイメージになってしまいました。彼の作品を評価しなくなってしまったのです。
実際はバスキアは中流階級の出身でした。幼少期から英才教育を受けていたのです。
現代アートとして死後なお名を残し続ける「作品」。やはり彼は天才なのでしょうか?
作品紹介

Napoleon, 1982

Onion Gum,1983

Self Portrait,1985
《2019年には森美術館で「バスキア展」が開催されました。20歳で名声を手に入れたバスキア。キャリアはたった10年程だったにもかかわらず、現代アートに大きな影響を与えました。彼の作品から見えるメッセージや大胆なタッチをじっくり見てみるもの面白そうですね✨》
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こんにちは。
絵画は全くわからないのですが、バスキアは今とても人気なんですね。社会性があって興味を持ちました。解説がわかりやすかったです。またおすすめがあれば教えてください。